お祭りの屋台
自治会の持ち回り役員で夏祭りの準備を行ったことがあります。
そのお祭りは中央に立てたやぐらの周りで2日間盆踊りが行われます。
盆踊りのスペースを囲うように役員が担当する十数種類の出店と外部からの出店が並び、子供からお年寄りまで大勢の人で毎年賑わいます。
役員は基本的に一年交代な上、担当する出店もくじで割り当てられるのでほとんどが未経験者です。
私が担当したのは焼き鳥でした。
焼き鳥の手配はマニュアルがあったので特に問題なく注文や受け取りが行われ、会場設営も経験者の指示を元にスムーズに行われました。
道具類は自治会で手配されると思ったのですが、以前使っていた骨組み屋台が壊れたので、ネットのお祭り用品のお店で新しい屋台を購入するところまで私たちがやりました。
道具がそろってからは特に大きな問題は起きないかのように思われましたが、お祭りがスタートした途端に大きな問題が。
焼き鳥は老若男女関係なく人気の高い品だったので、祭りの始まりと同時に多くの人が列を作りました。
更に、お酒のあてにする人も多く一本あたりの単価が安いため一度にまとまった数を購入する方も少なくありません。
それに対して焼くスペースはガスプレート2枚だけ。更に冷凍状態で保存されていた焼き鳥がまったく溶けないのです。
祭り開始前から箱の蓋を空けていたにも関わらず中身はカチカチのまま。
並べ広げるスペースも無く、焼き溶かすにも時間がかかる。人の列はより長くなっていきます。
各自自宅へ持って行きレンジやコンロで溶かそうかとの話しも出ましたが、衛生上それはできません。
結局はアルミ板などを持ち込み少しでも解凍時間を短縮するしかできませんでした。
二日目は前日の失敗から学び、他の出店のスペースも借りて早い時間から解凍を始めました。
今では良い思い出になっていますが、当時は焦りながらもどうすることも出来ず焼き上がりを待つお客さんに頭を下げ続けるばかりでした。