測量
私は独身時代、建設関係の職場にいたのですが、実はそこで測量の手伝いをしていた事があります。
アルバイトとして働いていた建設会社ですが、親戚の伝手で建設関係の知識が全くないまま軽い気持ちでアルバイトをすることになったので、当然、測量という言葉を知ったのはこの会社が初めてでした。
私がこの会社で行なっていた測量は、高さを知るための水準測量です。
水準測量では、レベルという水平を見る機器とスタッフという目盛りのついた定規のようなものを利用して測量を行ないます。
このレベルは、三脚にカメラを載せたものに似ています。カメラは撮影する機器なので、カメラの替わりに望遠鏡を載せたものとイメージしたほうがわかりやすいです。
この望遠鏡を使って、スタッフのおいてある地点の高さを調べるのです。
レベルから覗く人、スタッフを持つ人、水準測量は2人1組の作業となります。
私は、スタッフを持つほうを担当していました。
スタッフを持つ担当は地面から真っ直ぐスタッフを立てるだけの仕事ですが、これも測量の大切な仕事です。スタッフが曲がっていれば、間違った数値を測量してしまうことになるのです。
測量はとても地味な仕事です。高さを調べるだけで危険もありません。しかし、この測定をしっかり行なうことにより、初めて安全な構造物を作ることができるのです。
ついこの間、その会社の人(と言っても叔父ですが)に、会社をたたむことになったので測量器の買取業者をネットで検索してくれと頼まれました。
叔父はもういい歳で、農業の方に専念すると言っていましたが、なんだか寂しい気持ちになりました。